相続に関する民法は、お金にも関わる多くの人にとって重要なテーマです。
2023年に相続法は改正され、部分的に仕組みが変わりました。
法律に詳しくなくても、自分や家族の未来を考える上で、これらの変更点を理解することは欠かせません。
そこで今回は、相続に関する民法の基本と改正後のポイントをご紹介します。
民法改正と相続法の基礎知識
遺産分割の概要
相続人が複数いる場合には、相続財産つまり遺産が相続人全員のものとされます。
遺産分割とは、故人の財産を相続人が共有し、その後、指定相続分・法定相続分、そして具体的相続分に基づいて分割するプロセスです。
これは、相続人それぞれの権利と責任を明確にして、公平な分配を目指すための重要な手続きです。
・指定相続分
指定相続分とは、遺言によって指定された相続の割合を指します。
これは、故人が生前に作成した遺言書に従い、財産を分割する方法です。
ただし、相続人全員の同意があれば、法定相続分や具体的相続分による分割も可能です。
・法定相続分
民法で定められた相続人の分割割合が法定相続分です。
法定相続分には相続人の優先順位が関係し、通常、配偶者・子ども・親・兄弟姉妹の順に定められています。
法定相続分は特に相続税計算において重要ですが、遺言書がない場合の遺産分割には一般的に具体的相続分が用いられます。
・具体的相続分
相続人それぞれの事情を考慮して決める分割割合のことを具体的相続分と呼びます。
例えば、特別受益や寄与分などを加味して決める方法です。
具体的相続分での遺産分割の場合、話し合いで決める遺産分割協議と家庭裁判所による遺産分割調停の2種類が存在します。
新たに民法改正された相続の3つのポイント
1:配偶者居住権の創設
最新の改正では、配偶者居住権の導入が特筆すべき点です。
被相続人の配偶者が相続開始時に住んでいた家に引き続き住む権利を保障するものです。
この権利により、配偶者は安定した生活を継続しながら、他の財産も有利に相続できるようになります。
2:自筆証書遺言の保管制度
自筆証書遺言の保管制度の導入も大きな変更点です。
自筆で書かれた遺言書を法務局で保管できるようになり、紛失や改ざんのリスクを減少させられます。
また、遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能になり、遺言書作成の手間が軽減されます。
3:介護や看病に対する金銭請求権
被相続人の介護や看病に貢献した親族も、相続人でなくても特別な寄与を認められた場合、金銭の請求が可能になりました。
家族内での介護や看病の貢献を公平に評価し、相続における不公平感を軽減するための重要なステップです。
まとめ
民法改正による新しい相続法のポイントを理解することは、自分や家族の未来を考える上で重要です。
配偶者居住権・自筆証書遺言の保管制度・介護や看病に対する金銭請求権といった新たな制度は、相続における多くの変更点をもたらしました。
これらの情報を基に、適切な相続計画を立てることが、今後ますます重要になってくるでしょう。